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OIML条約

OIML条約 ( 国際法定計量機関を設立するための条約 )

Convention Establishing An International Organization of Legal Metrology

    【 目 次 】


OIML 条約と加盟国

   計量単位を国際的に統一するだけでは、計量器の国際貿易における技術障壁を除去することはできません。国の計量器の技術基準及び適合性評価の手続きを国際的に調和させる必要があります。
   OIML 条約
は、加盟国の法定計量規則を整合化することにより、計量器の国際貿易の円滑化を図る目的で、1955年に22ヶ国の参加を得てフランスのパリで締結されまし た。日本の加盟は
1961年です。2011年1月現在の正加盟国は57カ国、準加盟国は55カ国です。条約加盟国は、総人口と経済力に応じた加盟分担金を毎年支払う義務があります。国際法定計量事務局(BIML)はパリに置かれています。
http://www.oiml.org/

OIML の主な活動

1.国際勧告(R)、国際文書(D)の策定、発行

   国際勧告 (International Recommendation) は計量器のモデル規則です。OIMLでは商取引、健康、安全、環境分野等で使用される計量器の国際勧告を作っています。加盟国は国際勧告を可能な限り国内法規に取り入れる道義的責任があります。
国際勧告は、①計量・技術要求事項、②試験方法、③試験報告書の書式、で構成されています。一方、国際文書(International Document)は法定計量の共通的課題への指針を与えるもので、国内法規への採用は加盟国の裁量に任されています。国際勧告は現在R143まで 、国際文書はD31まで発行されています。


2.OIML 証明書制度の運営


   1991年に導入された任意の制度で、OIML加盟国が他の加盟国で発行したOIML証明書を相互に受入れ、活用する仕組みを提供しています。現在、59種類の計量器の 国際勧告がこの制度の適用を受けています。製造事業者や輸出入事業者にとっては、計量器の輸出入時の行政的な手続及び試験に要する費用の軽減に役立っています。
   OIML型式承認申請は加盟国が指定したOIML証明書発行機関で受け付けています。この発行機関はISO/IECガイド65等の製品認証に関わる要求事項を満たす必要があります。試験は、発行機関が指定した試験機関で行われます。試験機関はISO/IEC 17025等の試験機関に求められる要求事項を満たす必要があります。発行機関は、試験機関から届いた試験報告書を評価し、計量器の型式がOIML国際勧告の要求事項に適合していることを証明するOIML証明書及び試験報告書を申請者に発行します。そして、発行した証明書をOIML中央事務局に送付し、登録申請を行います。事務局は証明書の内容を確認した後、OIML証明書のデータベースに登録し、OIMLのホームページで公開します。(http://www.oiml.org/certificates/)
   OIML適合証明書の所有者は、記載されている同一型式の計量器の型式承認を外国で申請する際に、その証明書を添付することができます。国によっては、試験報告書の提出が求められることもあります。
   産業技術総合研究所はR60「ロードセル」、R76「非自動はかり」、R115「最高温度保持機能付体温計」及びR117& R118「燃料油メーター」のOIML証明書発行機関になっています。


3.MAA「型式評価国際相互受入れ取決めの枠組み」制度の運営
 

   MAAは、計量器の型式評価(Pattern Evaluation)に関する国際相互受入制度です。1991年に導入されたOIML証明書制度を基礎とし発展させたもので、参加国間の試験能力に関する相互信頼の仕組みを確立しています。2003年11月に京都で開催された第38回国際法定計量委員会(CIML)会議で承認されました。計量器型式評価のワンストップテスティングを参加国間で実現することにより、計量器の国際貿易における技術障壁の緩和を図ることを目的としています。
   MAAの参加者は、加盟国のOIML証明書発行機関、国の型式承認機関、計量器の販売を許認可する国家担当機関のいずれかです。加盟国の参加機関はMAA文書に基づき、OIML証明書制度が適用される計量器毎に表明される相互信頼宣言書(DoMC)に署名することになります。MAA参加国は、DoMCへの参加形態に関わらず、他の参加国が発行したOIML MAA型式評価報告書及びOIML MAA証明書を受け入れる道義的責任があります。
   DoMCへの参加形態には、OIML MAA証明書を発行するかどうかで、発行型と受入型の2種類に分かれます。発行型を選択する場合は、OIML 証明書発行機関が指定する試験機関の試験能力を、国際的に認知された方法(ISO/IEC 17025に基づく、①ILACのMRAに参加している認定機関による認定、又は②OIMLピアアセスメント)により実証する必要があります。受入型を選択する場合は、OIML事務局に書面で連絡すれば、随時、資格審査受けることなく参加することができます。
   それぞれのDoMCにはDoMC参加国の代表で構成する参加資格審査委員会(CPR)が設けられています。CPRは発行型の参加を希望する機関の能力審査と参加の決定を行うとともに、その後の参加機関の能力維持と活動を監視するという重要な役割を担っています。
   2006年9月末にR60「ロードセル」及びR76「非自動はかり」の2機種を対象にした最初のDoMCが署名され、MAAは名実ともに運用されることになりました。 その後、2007年11月末にR49「水道メーター」のDoMCが署名されました。
   産業技術総合研究所は、R60及びR76のDoMCに発行型として参加しており、この2機種に対しては、従来型のOIML証明書ではなく、OIML MAA証明書を発行しています。

OIML MAA パンフレット日本語版 (PDF 3.3MB / 2011.3.1発行)


「MAAに基づくDoMC」と「OIML証明書制度」の関係

① 相互信頼宣言(DoMC)に署名した発行機関は、署名以前に受理したOIML証明書発行申請書の場合を除き、今後、OIML-MAA証明書とOIML-MAA型式評価報告書(試験報告書を含む)をDoMCの特別な条件の下で発行する。
② DoMCの下で発行するOIML-MAA証明書とOIML-MAA型式評価報告書(試験報告書を含む)には、特別なOIMLロゴを付ける。
③ DoMCの締結後、DoMCに参加しない発行機関がOIML証明書制度の下で当該種類の計量器のOIML証明書を継続して発行できる期間(移行期間)をCIML会議で定める。
④ 2009年のBIMLへの証明書登録料はOIML-MAA証明書、従来型のOIML証明書ともに350ユーロとなる。



4.開発途上国の計量基盤の整備の支援

   OIML加盟・準加盟国のおよそ3/4が開発途上国です。開発途上国がMAA等のグローバルな計量制度に参加するためには、自国の計量制度を確立し、計量技術の底上げを図る必要があります。OIMLでは法定計量制度を整備・発展させるために必要な様々なガイダンスを提供しています。また、対開発途上国常任作業部会を設け、開発途上国のニーズの把握に努め、戦略やアクションプランを作成するとともに、国連工業開発機関(UNIDO)や世界貿易機関(WTO)と協力しながら開発途上国を対象にした法定計量セミナーを開催しています。 
   また、他の計量関連機関(BIPM、IEC、ILAC、IAF、ISO、ITC、ITU-T)やUNIDOと共にJCDCMAS 「計量・認定・標準化分 野における対途上国援助合同調整委員会」を設置し、計量分野の技術協力について施策の調整を行っています。


5.BIPM、ILAC、ISOとの連携

   OIMLとBIPM(メートル条約)、ILAC(国際試験所認定協力機構)は毎年、定期的に会合を持ち、お互いの活動状況を把握するとともに、協力のあり方や協力活動の推進策について検討しています。
   2006年1月には、共同声明・宣言書を発表しました。3機関の業務内容が国際計量を推進する上で、補完的な関係にあることを確認し、今後一層の協力活動を進めることを謳っています。また、グローバルな計量制度を支える3機関の国際相互承認制度(OIML-MAA、CIPM-MRA、ILAC-MLA)を、各国政府及び関係機関が受入れ、活用することを推奨しています。
   二機関の間の協力活動においては、OIMLとBIPMは、合同アクションプランに合意し、それに基づき、両機関の組織・活動を紹介した共通の要覧やウェブサイトを作成するなどの事業を進めています。また、BIPMが主催するJCGM(計量分野におけるガイド作成のための合同委員会)の活動に参加しています。ILACとは、法定計量分野の認定及びピアアセスメントの活動に関する協力覚書を締結しています。 ISO(国際標準化機構)との間には覚書に基づき、OIMLの技術委員会(TC)と分科委員会(SC)はISO内の対応委員会と密接な連携をとりながら国際勧告や国際文書を開発しています。また、最近では、OIML-MAAに関連するISO CASCO(適合性評価委員会)やOIML開発途上国支援政策に関係するISO DEVCO(発展途上国対策委員会)との関係が重要になってきています。

OIML の組織

   最高議決機関、「国際法定計量会議(IML)」(4年毎に開催)の下に、実質的な理事執行機関である「国際法定計量委員会(CIML)」があります。CIMLの監督の下に、対開発途上国常任作業部会、技術委員会/小委員会、国際法定計量事務局(BIML)が置かれています。


組織と運営


日本の OIML 条約への対応

   OIML条約の行政面での対応は経済産業省知的基盤課計量行政室が担当しています。技術面での総括は産業技術総合研究所が担当しており、OIML国際勧告案及び国際文書案の審議を、経済産業省が委託した、産、学、官の専門家で構成する「国際法定計量調査研究委員会」(事務局:日本計量機器工業連合会)と密接な連携を図りながら進めています。
   国際計量室は、国際法定計量連絡委員会法定計量分科会の事務局を務めています。国際法定計量事務局(BIML)及び幹事国との連絡、わが国のCIML活動の総括的検討と取りまとめ、わが国の対処方針案の総括、OIML技術委員会(TC/SC)の作業状況の分析、CIML運営委員会活動の取りまとめを行っています。また、 OIML国際勧告案及び国際文書案の審議を、「国際法定計量調査研究委員会」に依頼し、国内意見の調整を図っています。
   国際法定計量調査研究委員会(国法調委)は、計量規則等作業委員会、電子化計量器作業委員会、計量器作業委員会、体積計作業委員会、質量計作業委員会、電力量計等作業委員会、環境・分析計量器作業委員会、放射線計量器作業委員会、音響振動計量器作業委員会、医療用計量器作業委員会の10の作業委員会と15の分科会で構成されています。 (2009年12月)


OIML 参考資料