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CMC・国際比較

CIPM相互承認協定と校正・測定能力(CMC)について


CIPM相互承認協定(CIPM MRA, Mutual Recognition Arrangement)は、経済のグローバル化に対応するため、メートル条約加盟国の主要な国家計量標準機関の代表で構成する国際度量衡委員会(CIPM)において1999年に締結された協定です。

CIPM MRAは、経済活動や取引の基本である計測・計量について、国家計量標準機関を頂点とする各国の計量標準トレーサビリティ体系を相互に信頼し、他国の国家計量標準の校正データを自国でもそのまま同等と認め、その校正証明書をそのまま自国でも受け入れる仕組みを構築したものです。これにより、試験器等が自国の計量標準にトレーサブルである場合、製品等の試験成績書が相手国にも受け入れられることになります。

このCIPM MRAの目的を達成するために、国家計量標準を開発・維持する国家計量標準機関(NMI, National Metrology Institute)または指名計量標準機関(DI, Designated Institute)は、測定量ごとに、品質システムの構築、参加NMIまたはDIによる審査(ピアレビュー)、および関連する国際比較への参加というプロセスを経て、その校正・測定能力(CMC, Calibration and Measurement Capabilities)を宣言します。最終的に承認されたCMCは国際度量衡局(BIPM)が管理するデータベース(KCDB Appendix-C)に登録され、ウェブ上で公表されます。2012年4月現在においてCMCの全登録数は24736件であり、その中で日本のCMC登録数は996件、世界第8位となっています(表1)。

表1. 世界上位10カ国のCMC登録数 ( 2013年4月現在 )
  国名 音響・超音波・振動
(AUV)
長さ
(L)
時間・周波数
(TF)
温度
(T)
測光・放射
(PR)
力学量
(M)
電磁気
(EM)
放射能・放射線
(RI)
物質量
(QM)
Total
1 アメリカ 32 49 11 89 134 122 329 533 980 2279
2 ドイツ 76 91 25 101 76 200 273 264 531 1637
3 ロシア 72 20 36 137 87 59 325 329 470 1535
4 イギリス 42 52 12 59 129 81 338 194 454 1361
5 中国 53 50 28 23 27 55 216 195 521 1168
6 日本 8 33 27 39 49 106 133 248 473 1116
7 韓国 41 28 24 59 41 49 141 214 487 1084
8 フランス 60 27 11 97 29 102 301 244 120 991
9 オランダ 6 77 26 64 13 92 238 78 259 853
10 メキシコ 40 22 9 15 22 112 87 0 306 613
全体 1073 1426 675 2064 1243 2778 7090 3903 5441 25693

CIPM MRAによって国際的な信頼性確保の枠組みが整理され、障壁のない自由な取引が促進されます。製品や食品に付与される試験データの信頼性を外国の顧客や規制当局から求められたとき、登録されたCMCへのトレーサビリティを確保することで、その試験成績書は国境を越えて通用するいわばパスポートとなります。

国際比較について


前述の通り、国際比較の結果は国家計量標準機関(NMI)や指名計量標準機関(DI)の校正・測定能力(CMC)を宣言する際に重要な証拠となります。国際度量衡委員会(CIPM)の下に設置されている各計量分野ごとの諮問委員会(CC, Consultative Committee)では、その分野で中核となる国際比較を実施しており、これをCIPM基幹比較(CIPM Key Comparison)といいます。

原則としてCIPM基幹比較はその分野で高い技術と経験を有する機関(通常はCCのメンバーであるNMIやDI)のみで行われますが、その後、それぞれの地域計量組織(RMO, Regional Metrology Organization)において、通常はCIPM基幹比較に参加した機関を幹事研究所(pilot laboratory)として行われるRMO基幹比較(RMO Key Comparison)への参加は、RMOメンバーおよびその他の研究所等に開放されています(図1)。



CMC_RMO


RMO基幹比較の結果はCIPM基幹比較に参加したNMIの結果を通して、CIPM基幹比較の結果にリンクされ、CIPM基幹比較の結果と同様にCMCを宣言する際の重要な証拠となります。また、これら基幹比較によってカバーされないものに対しては、各RMOによって独自に実施される補完比較(Supplementary Comparison)があります。

これらの国際比較の結果は、国際度量衡局(BIPM)が管理するデータベース(KCDB Appendix-B)に登録され、ウェブ上で公表されています。2012年4月現在においてKCDBに登録された国際比較件数は1081件であり、その中で日本の参加した国際比較件数は390件、世界第4位となっています(表2)。

表2. 世界上位10カ国の国際比較参加件数の推移 ( 2013年5月現在 )
  国名 1999年
以前
2004年
4月
2006年
6月
2007年
8月
2008年
7月
.2009年
6月
2010年
5月
2011年
5月
2012年
4月
2013年
5月
1 ドイツ 59 323 445 454 470 505 530 547 575 600
2 イギリス 70 282 356 280 384 376 391 403 422 432
3 アメリカ 51 282 330 335 349 361 384 400 417 432
4 日本
(NMIJ)
42 188
(186)
263
(256)
284
(277)
300
(293)
319
(312)
341
(333)
361
(353)
390
(381)
407
(396)
5 フランス 48 205 227 308 318 332 353 369 389 406
6 韓国 16 143 209 238 262 269 288 303 332 354
7 ロシア 30 139 194 222 240 270 287 301 322 340
8 中国 28 134 175 193 204 227 242 253 277 302
9 イタリア 15 122 207 210 215 223 236 244 257 272
10 オーストラリア 17 111 166 182 195 211 224 233 249 257
全国際比較数 - - 608 741 801 879 936 1003 1081 1188

※ここで集計している国際比較数とは、KCDBに掲載された基幹比較(Key Comparison)
および 補完比較(Supplementary Comparison)の合計を表す。